少し古い記事ですが、1月8日に日経ビジネスオンラインに掲載された記事のご紹介です。
2008年秋に参加させていただいた日本アスペン研究所のエグゼクティブセミナーの模様が、日経ビジネスオンラインに掲載されました。
タイトルは「東芝があえて問い直す「人間力」 多様性の受容が世界を拓く」。
3ページの記事ですが、ログインしないと2ページ目以降が読めません。お時間ある方は是非登録して閲覧してみてください。
セミナー参加時の写真が3ページ目にあり、私も一番手前に載っております。完全な後姿ですが・・・
以下に、関連する部分のみ簡潔に引用させていただきます。
日経ビジネスオンライン記事 東芝があえて問い直す「人間力」より引用
ダーウィンを学ぶ経営幹部たち「それでは、『種の起源』に関するディスカッションを始めましょう」。
昨年11月29日午前8時。大阪市住之江の高級ホテルの一室で、日本アスペン研究所が主催するエグゼクティブセミナーが始まった。15人の参加者は、いずれも大手企業から派遣された幹部候補や現役役員、大学教授ばかり。6日間の日程で、みっちりと研修を受ける。この日は、セミナーの2日目。テーマは「自然・生命」である。進行役が参加者に議論を促すと、参加者は事前に読み込んできた分厚いテキストを基に、持論を展開する。テキストは難解そのものだ。ダーウィンの進化論についての著作『種の起源』を皮切りに、ゲーテ、ハイゼンベルクなど、自然科学や生命科学の古典から抜粋された論文についての議論が次々と行われていく。
「世界と日本」「認識」「美と信」…。自然・生命以外のテーマも、普遍的な内容ばかり。「交渉術」「プレゼンテーション」といった、一般のセミナーで見られるようなテクニックやノウハウを伝授する風景は見られない。
「日本アスペン研究所のセミナーの狙いは、端的に言えば“人間力”を高めることにある」と、日本アスペン研究所の岡野雄治事務局長は言う。自分自身の得意な専門分野の中だけで物事を考えるのではなく、他分野を含めた横断的な考え方を身につけることを主眼に置いている。
「現在の多くの経営課題は、1つの分野の専門知識だけでは解決できないものばかり。様々な学問のアプローチから課題の本質をとらえる思考法が重要となってきている」(岡野氏)。その本質をとらえるための訓練として、古典は最適な教科書なのだと言う。
もともとアスペン研究所は、1950年に米国コロラド州アスペンで設立された。米国の大手企業を中心に、教養を深めるリーダーシッププログラムを提供しながら、ドイツやイタリア、フランス、インドに拠点を広げている。日本では1975年に提携活動が始まり、1998年4月に日本アスペン研究所が設立された。会長は、富士ゼロックスの小林陽太郎相談役最高顧問が務めているほか、資生堂、ソニー、鹿島、東京電力など大手企業の首脳が役員に名を連ねている。東芝は毎回セミナーに幹部を参加させている。
2005年からは、エグゼクティブセミナーに加えて、30代前後の若手幹部候補生向けのヤングエグゼクティブセミナーを開始した。「申し込みが多く、年3回から年5回に増やした」(岡野氏)ほど、盛況だと言う。
古典を通じて学ぶ、理念や価値観。一見、ビジネスとは無縁に見える教養の重要性に、一部のグローバル企業は気づき始めている。これは目の前に立ちはだかる問題に効率よく対処するノウハウだけでは、未曾有の経済危機を乗り越え、長期的な成長路線を歩むことはできないことを痛感しているからではないだろうか。
ガラパゴス諸島はこれまで外部環境から隔絶されて独自の生態系を保ってきたが、最近は外来種との接触で絶滅の危機にさらされている生物が数多くいる。日本企業の経営陣や社員は、日本でしか通用しない考え方で世界を見ていたのではないか。ガラパゴス化した思考から早く脱却しないと、存在感を失うどころか存亡の危機に直面することになる。
以上 日経ビジネスオンライン記事 東芝があえて問い直す「人間力」より引用
如何でしょうか。
日本アスペン研究所のエグゼクティブセミナーについては、公開された情報が限られていますので、ご興味お持ちの方にとってはこの記事は貴重な情報源になるのではないでしょうか。